アドセンス

2016年11月9日水曜日

野口悠紀雄著「英EU離脱!日本は円高に対処できるか」を読んで


読書の秋です。

野口悠紀雄先生の「英EU離脱!日本は円高に対処できるか」(ダイヤモンド社)を読んだ。

野口先生の著作は頭を使うので読むと疲れますが、統計データに裏付けされた主張は明快であり、非常に説得力がある。自分で数多くの経済統計を読み解くことは困難であり、更にそれを考察されているので、本書は1冊1,600円しますが、費用対効果を考えると安いと思う。

タイトルと異なり、本書の中身は英国のEU離脱のみならず、アベノミクスの破綻や今必要な税・財政政策、マイナス金利政策などトピックは多岐に渡る。

英国のEU離脱については、ドイツやフランスは英国に対して貿易黒字であることから、EU側も問題が生じる可能性があるとのこと。英国が離脱によってEUへのアクセス権が制約されることから、英国の将来を悲観的に捉えてきたが、EU側も英国と交渉せざるを得ない事情があることはあまり考えたことがなかった。

最近の報道では、EU離脱の通告に当たっては議会の承認が必要だとの裁判所の判決がでたことから混乱がみられるが、EU側にも英国と前向きに交渉する事情があるのだから、なんらかの着地点が比較的短期間で見いだされる可能性もあると考えられる。そう考えれば、世界経済のリスク要因ではあるものの、あまり悲観的になる必要もないのかもしれない。

また、新聞等でも書かれているが、EUに蔓延る官僚主義の弊害も英国のEU離脱の背景にあるのだと思う。EUに加盟している限り、EUの決まりや考え方に準ずる必要がある。そのため、国内の世論や事情があるにも関わらず、EUのやり方に合わせ、自分達の考え方が通らないことに、国民は疲れているのだと思う。

その他、実質賃金を上げて消費を増やす必要性を論じるなど、アベノミクスにおける問題点を指摘。経済統計を確認しつつ、確かに株価は上昇したが、経済は停滞しており、実生活における感覚と一致。日本人は貧しくなったと思う。

個人的にリスクヘッジをする必要がある。



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