アドセンス

2016年11月15日火曜日

トランプ相場と金融株


米大統領選後の株式市場の景色は大分変わった。

トランプ氏の経済政策等への不透明感から株はリスクオフの状況であったが、大統領選後は法人税の減税やインフラ投資の促進への期待から株高に転じた。

金融株についても同様だ。

トランプ氏は金融危機の再発防止のため制定されたトッドフランク法を廃止することを訴えてきたことから、規制緩和期待より金融株が買われている。同法が廃止されれば、デリバティブ取引や流動性準備の緩和などから、金融機関の収益性の改善が期待される。

しかし、一方で共和党は政策綱領において、銀行業務と証券業務を分離するグラススティーガル法の復活を支持。仮に復活した場合、投資銀行部門を持つ大手金融機関は証券業務を分離する必要があることから、資金調達コストだけ考えてみてもコスト高となるため、収益性が低下する他、業務の幅が狭まることから、株安要因となる。

金融機関に与える影響としてはグラススティーガル法復活の方が大きいと思う。市場金利より安い調達コストである預金を証券業務に活用できるメリットは大きい。証券業務での運用益に資金調達に伴う利鞘が乗っかる。また、預金を原資にすれば、新たに資金調達する必要もない。

トッドフランク法を廃止してもグラススティーガル法の復活となれば株安となる。こういう意味でトランプ相場は不透明なのかもしれない。



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