日本経済新聞の英エコノミスト誌の翻訳記事である「バフェット氏が語らないこと」(平成28年8月16日朝刊)を読んだ。
全体的なトーンは莫大な資産を築き、慈善団体に寄付する意向を示していることを称賛する一方、自身の利益を重視するとのことで批判もする内容。
誤解を恐れずにいえば、いまいちピントがはっきりしない記事だと思った。
例えば以下の点について理解できなかった。
多くの投資家追随したことで米国経済は「バフェット化」した。投資家の間では、利益率や市場シェアが高い一方、新規投資の必要性が少なく、経営が安定している企業が買いだというのが通説になっている。
だが、資本主義をどう改革するかについては、バフェット氏はおよそ手本とはいえない。米国が今必要としているのは、よりリスクを恐れない精神や商品・サービスの値下げ、積極投資、より多くの競争だ。(日本経済新聞、平成28年8月16日朝刊)要するに新規投資の必要性が少なく、経営が安定している企業だと、リスクを恐れない精神が育まれなく、イノベーションが乏しい社会になってしまうと言いたいらしい。
投資家の立場からすると、新規投資の必要性が少なければ、その分フリーキャッシュフローが増加し、株主価値も増大することから、こうした企業に投資すべきである。
これに疑いの余地はない。
しかし、バフェット氏は企業が変革しなくていいなどと一言も言っておらず、企業競争力の維持または強化に必要な投資をしたうえで、安定して高い収益性を誇る企業に投資すべきと言っている。
だから、アップルやIBMといったIT企業にも投資をしており、最近ではアップル株の買い増しも報道された。
コカコーラやアメリカンエクスプレス等への投資で成功したとのイメージが強いことも、保守的な見方に繋がっている部分もあると思う。
バフェット氏の目線は一段高いところにある。
投資は自己責任で。
応援よろしくお願いします。
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