アドセンス

2016年5月12日木曜日

マクドナルド株(MCD)について その2


前回のその1に続き、投資家として関心の高くなる資本政策についてみてみたい。

米国マクドナルドは40年間連続増配している、いわゆる配当貴族銘柄であるが、最適資本構成を見直し、株主還元を強化することとした。

具体的には、前回のターンアラウンドプラン④であるが、2014年、2015年の2年間で約160億ドル還元しており、2016年に残り140億ドル還元する予定。

その内訳は、2014年は配当金33億ドル、自社株買い32億ドル、2015年は配当金33億ドル、自社株買い62億ドルとなっている。

また、2015年は、配当金及び自社株買いのため、長期負債91億ドルを新たに調達。その結果、ROEは2014年の31.3%から2015年は45.1%に急上昇。

株主還元策の強化のためとはいえ、負債を新たに91億ドル(も?)調達し、自社株買いを実施する経営判断は日本企業にはなかなか難しいのではないかと思う。少し極端な気もしますが。

なお、配当金と自社株買いを踏まえた、2015年の投資家のリターンは8.8%となる。
  株主還元9,412百万ドル/107,152.98百万ドル(=総株数907百万株×期末株価118.14ドル)=8.8%

自社株買いには以下のメリットがあるが、まさしくこれにより、昨年の秋口からの株価上昇につながったといえる。
・株数が減り、一株あたりの利益が増加すれば、株価上昇につながる。
・株主資本の減少によりROEが改善する。

また、投資家が配当金を受領すると税負担が発生するが、自社株買いの場合には税負担は発生しないことから、企業には1ドルの投資が1ドル超のリターンを生み出さない場合には、無用な投資は行わず、余剰資金による自社株買いの実施を期待したい。

今期2016年については、配当金は33億円程度(前年比5%増)の予定であるが、自社株買いは107億ドル程度となる見込み。足元の株価130ドルで計算すると、約82百万株の買い取りとなり、発行済株式数は前期比約9%減少する。

これを踏まえた投資家のリターンは、非常にざっくりであるが、13.1%の見込み。
 株主還元14,000百万ドル/107,250百万ドル(=総株数約825百万株×株価130ドル)=13.1%

これも長い低迷時期を耐え抜いてきた投資家に対するご褒美の一つと言えまいか。



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