アドセンス

2016年5月14日土曜日

IBM株(IBM)について


最近、自動運転やビックデータ分析などが新聞や雑誌等で取り上げられることが増えており、AI(人口知能)が注目を集めている。つい最近では、戦術の手数が将棋の比ではない碁において、グーグルが開発したアルファ碁が人間に勝利した。

今日はコグニティブコンピューティングに力を入れており、ワトソンで有名なIBM株について考えてみたい。

当社の正式名称はInternational Business Machines Corporation。なんとなくではあるが当社の先進的なイメージとはかけ離れた印象を受けるので、みなさんIBMと呼んでいるのだと思う。

余談はさておき本題に入りたい。

IBMは20年連続増配、100年連続配当を実施しており、いわゆる配当貴族銘柄の1つ。

投資に際しては、株を購入するというよりはむしろ会社全体を取得すると考え、投資効率を検討すべきであるから、株主リターンを計算している。

2015年度は自社株買い4,609百万ドル、配当金4,897百万ドルを実施しており、株主還元額は9,506百万ドル。一方、2015年度末時点の株式時価総額は133,507百万ドルであるから、株主リターンは7.1%。キャピタルゲイン除きの水準としては悪くない水準と思う。

  株主リターン7.1%=(自社株買い4,609百万ドル+配当金4,897百万ドル)
                                     /株式時価総額133,507百万ドル

なお、自社株買いの実施により、発行済株式数は2011年度末比16.9%減少。業績は低迷しているが、経営者の自信の表れといえよう。

当社のBSをみてみると、これまで実施してきた自社株買いの規模に驚かされる。2015年度については、Retained earnings146,124百万ドルに対し、Treasury stockは155,518百万ドルにも及び、自己資本比率は13.1%に留まる。

一方、IBM株については有利子負債が39,890百万ドルと多額であり、それも増加傾向にあることから、借入金を活用した行き過ぎた自社株買いの実施との批判を目にする。

しかし、顧客に対して当社製品のリース販売等を実施していることから、そのための資金調達が必要となる。これは販売金融によるものであり、当社の事業運営上必要となる資金(自分の借金)ではないことに注意が必要。

2015年度末の販売金融残高は29,033百万ドルであることから、これを考慮すれば、実質的な有利子負債の規模は過大な水準ではない。

足元の業績は低迷中。下落した株価の上昇には業績の改善が必要。根気よく見守っていく必要があるといえよう。

当社の業績についてはまたの機会に。



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