アドセンス

2016年7月28日木曜日

「原油暴落の謎を解く」を読んで


岩瀬昇著「原油暴落の謎を解く」(文春新書)を読んでみました。

著者は三井物産でオイルビジネスに携わられ、現在はエネルギーアナリストをされている方です。

もっぱら通勤途上の電車の中で読書することが多いです。

余談はさておき、本書では原油価格暴落の背景や価格決定のメカニズム、石油の枯渇、原油価格の予測について述べられています。


そのなかで印象的であったのが米国のシェールガス、オイルの開発に係る部分である。以下要約。
米国石油産業は百数十年の歴史があり、過去の地質調査で相当程度のデータが集積しており、比較的安価にその情報を入手できる。したがって、米国でシェール層の石油開発は、地下に石油があるかを調べる探鉱段階は終了しており、埋蔵量リスクのない開発の段階から始まる。 
また、埋蔵量リスクがないことから、金融筋から開発に係る融資を受けることが可能。 
米国以外の国では埋蔵量リスクがあることや開発に係る資金を調達する金融市場も未発達であること、価格ヘッジを可能とする先物市場も整備されていないことなどからシェールガス、オイルの開発が本格化していない。

これまで新聞等でシェールガス 、オイルに関する記事を読んできたが、米国の地質調査は概ね済んでいることについて皆目知らなかった。通常の原油開発のように掘削に伴う大きなリスクが存在すると思っていたが比較的リスクが小さいと考えられていることに驚いた。

また、埋蔵量リスクが小さいことからジャンクボンド発行による資金調達が可能になることも合点がいった。

このほかにも、シェール開発業者の現状や業界紙プラッツのこと、将来的な原油価格予測などを取り上げており興味深い内容となっています。



投資は自己責任で。
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