アドセンス

2016年10月23日日曜日

「トランプ」を読んで


「トランプ」(ワシントンポスト取材班著、文藝春秋)を読んだ。

本書は米国で2016年8月に発売され、日本語版が2016年10月に発売された。洋書の和訳本としては異例の速さでの発売だと思う。びっくりするスピード。

急がないと米大統領選が終わってしまい販売に影響が出てしまうほか、本書はトランプ氏に否定的な内容であり、大統領選での勝利を阻止したいとの思いがある内容だからか。

本書はトランプ氏の少年時代に始まり、親子でのビジネス、メディアの使い方、カジノビジネス、離婚、ヒラリークリントンとの関係、大統領選の話など多岐に渡り、それぞれの分野でハチャメチャな話が多く出てくる。読者としては笑える話だが、当事者となったら勘弁してもらいたい話が多い。

本書を通じて感じたのはトランプ氏は自分をとにかく売り込みたく、その気持ちが他の人と比べて著しく強い人間だということだ。彼の素行には問題があるように思われるが、どんな時であれ、彼自身を売り込むことが目的であると考えれば、結果はどうであれ関係ない。

そのため発言が二転三転することは問題ないし、メディアを攻撃するのもそれにより注目を得ることを狙いにしているのだから、その是非など本人にとって問題にならない。当初は泡沫候補と言われていたが、対立候補はトランプ氏との売り込み合戦に負けた。「元気不足のジェブ」「嘘つきテッド」などトランプ氏の挑発に対し、他の候補者はことごとく無力だった。

報道をみている限り、共和党指名争いやヒラリークリントンとの大統領選においても、政策論争にほとんど発展しない。議論が嚙み合わせないことからトランプ氏の戦略勝ちであると思う。分かりやすい言葉で強烈に自分を売り込みメディアを徹底的に活用する。

大統領選が終われば、トランプ氏本人は勝ち負けはどうでもよかったといった類の発言が聞かれると思う。トランプ氏の関心は自分の売り込みなのだから。恐らく、全米、全世界で有名になったので、それを生かしたビジネス展開、正確には金儲けに一番の関心が向かうと思う。



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