アドセンス

2016年10月10日月曜日

「総理」を読んで


「総理」(山口敬之著、幻冬舎)を読みました。

著者はTBSに入社以来報道局に所属し、政治記者をされていた方です。

本書は、安倍首相辞任のスクープ、再出馬の決断、消費税をめぐる攻防、安倍外交、新宰相論の章立になっており、その時々の安倍首相や麻生氏、財務省官僚などの発言や行動など政権の中枢で起こったことを伝えている。

著者が安倍首相をはじめとする政治家に非常に食い込んでいることに驚いた。政治記者につき担当する政治家に張り付いて記事を書くのは当然であるが、政治家と信頼関係を構築し、時によっては政局を動かす緊迫した場面にも立ち会う。

また、著者は政治家と信頼関係が構築できているのであれば、時には対等な立場から、その政治家に対して率直な意見を言うべきだともしている。

そこには、ジャーナリストが紛争地帯に入りレポートするように、政治も人々の生活に影響を与えるのだから、1人の人間としての政治家にも迫る必要があるとの著者の強い思いがある。

第一次安倍政権の時に安倍首相が辞任する際のスクープにおいて、著者が安倍首相と電話で話したり、麻生外務大臣が著者を介し安倍首相に考えを伝える場面があるなど、実にリアルな政治の実相に触れることができる。

日々の政治的な出来事の裏に政治家同士の駆け引きや妥協、議論など色々なことがあるが、決定した事実のみが新聞等で報道されることが多いので、生身の政治家がいるという当たり前の事実に改めて気がついた。



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