英国のEU離脱

英国がEU離脱を国民投票にて決定。

これを受け世界の金融市場は動揺。欧州、米国、日本、ｱｼﾞｱの株式市場は全面安。通貨も英国ﾎﾟﾝﾄﾞは対ﾄﾞﾙで下落し、円は対ﾄﾞﾙで一時99円まで円高が進行。世界中が動揺した1日となった。

国民投票実施前は最終的にはEU離脱を選択しないであろうという楽観論が勝っていたが、投票が迫るにつれて離脱派の勢いが増し、最終的に離脱となった。

報道によれば、ﾛﾝﾄﾞﾝでは残留派が圧倒しているが、地方に行くと離脱派が多くを占めたようだ。

都市部に住む人間は、欧州市場との円滑な関係がないと経済活動に支障をきたすことを、すなわちｸﾞﾛｰﾊﾞﾙ化の恩恵を日々の生活からよく理解しているが、地方では、ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙな経済活動の重要性は理解しているつもりでも、移民増加による失業やEUに対する主権の制限など日々の生活におけるｸﾞﾛｰﾊﾞﾙ化の弊害に対する不満が勝ったようだ。

欧州市場への自由なｱｸｾｽや非関税措置が魅力で世界中からﾋﾄ､ﾓﾉ、ｶﾈを引きつけてきた英国。多くのﾕｰﾛ債が起債されるなど金融市場ｼﾃｨｰの繁栄はその象徴といえる。

離脱派は個別の貿易協定を結ぶことにより従来通りの環境を構築する考えのようであるが時間を要することは間違いない。

英国の魅力低下により、ﾋﾄ、ﾓﾉ、ｶﾈの動きの見直しが発生するのは避けられない。拠点閉鎖や経済活動の停滞により失業問題が逆にｸﾛｰｽﾞｱｯﾌﾟされる場面が増えると思われる。ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙ化への反旗が自らの生活を苦しめる皮肉な結果だ。

最後にいつも困るのは経済的な弱者。

英国が自ら選択した結論とはいえ、後悔しないことを望む。



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